越境EC ー 韓国で急成長のECサイト
2016/02/18
カテゴリー越境EC最新情報
世界のEC売上7位の韓国では、インターネット普及率は80%以上に上り、2014年にはインターネットユーザーの約7割がECを利用し、国内の小売売上高の約10%をECが占めている。
「Coupang」について
今後も成長が期待される韓国で、現在最大のショッピングモールサイトは「Gmarket」であり、ひと月のユニーク訪問者は約1200万人に上るが、このサイトに迫る急成長を見せているのが「Coupang」である。
「Coupang」は、2010年にハーバードビジネススクール出身のBom Kimによって設立されたショッピングモールサイトであり、2015年6月にはソフトバンクが10億ドル(約1,240億円)の投資を行ったことで話題になった。
設立当初は、「Groupon」のようなグループ共同購入型サイトであったが、現在は、衣料品、日用品、食料、チケット等あらゆる商品を扱っている。同社のアプリのダウンロード数は2,500万以上、ひと月の売上が2000 億ウォン(193億円)を記録し、大規模ECサイトに成長した。
韓国ECでは、モバイル端末の利用率が高いのが特徴であるが、「Coupang」でのモバイル利用率は非常に高く、全売上高の75%、アクセス総数の85%がモバイルユーザーによる利用で占められている。
「Coupang」の戦略
1 国内販売強化
多くのライバルが海外進出を視野に入れ、例えば、「Gmarket」は、韓国語の他、英語と中国語にも対応しており、海外向けのグローバルサイトを設けて いるが、「Coupang」のサイトは、現時点では、韓国語のみに対応しており、国内販売に力をいれていることがうかがえる。
2 徹底した配送サービス
「Coupang」の成功に導いた戦略のひとつに、徹底した顧客満足を中心としたサービスがあり、その柱となっているのが画期的な配送システムの構築がある。
多くの企業が宅配業者と提携し、商品の配送を行っている中、「Coupang」は、自社による物流ネットワークと配送拠点を運用し、同日配送など、ロケット配送と呼ばれる迅速な配送システムを実現させている。
配送の早さだけではなく、「COUPANG MAN」と呼ばれる配達員による顧客への直接対応にも力を入れており、配達の際に商品サンプルやお菓子を配布したり、ちょっとした心遣いを記したメモを残 したり、事前にドアホンを鳴らしてもよいか確認したり(赤ちゃんがいる場合、寝ているのを起こさないため)など、配送の際に細かな気配りやサービスで顧客 の満足度を上げる努力を行っている。