越境EC − 中国で食料品のオンライン購入増加
2016/02/04
カテゴリー越境EC最新情報
現在、食料品ECの増加は世界的な傾向であり、特に中国においては、この動きは目立っている。一方、この状況に伴い、国内及び海外から中国に進出した大手スーパーマーケットチェーン各社は苦戦を強いられている。
現地スーパーマーケットの現状
2014年の中国での食料品のオンライン売上は前年比50%増であったのに対し、スーパーマーケットやハイパーマーケットでの店舗売上増は6.7%にとどまっている。
香港に拠点を置き、中国におけるハイパーマーケットの売上第1位のSun Art Groupや海外から進出してきたCarrefour、Walmart等のスーパーマーケット大手は10年前には中国での店舗拡大で成功を収めていたが、食料品EC急伸によって、現在は苦境に立たされている。
食品EC増加の背景
Nielsenが60ヵ国を対象に行った調査によれば、対象者の約25%が食料品のオンライン購入を経験しているのに対し、Mckinseyの調査によれば、中国では食料品のオンライン購入が40%にのぼっている。
中国での食料品のEC急増の背景には、トレンドにいち早く反応するミドルクラス層の増加があり、このクラスの人々には、より高品質な商品や、店舗では入手しにくい商品を求めてオンラインを利用する傾向が見られる。
さらに、食料品のオンライン購入率の比較的少ない米国と比べると、中国では、自動車の所有率が低く、米国のように週末に車で郊外のスーパーマーケットでまとめ買いするのではなく、オンラインで購入し、自宅まで届けてもらえる利便性が食料品ECユーザーを増やしていると考えられる。
TMALLの取り組み
現時点では、食料品ECで大きくリードしている企業はまだないが、今後マーケットの更なる拡大が期待されるこの分野に注目が集まっており、各企業は様々な試みを行っている。
広い国土を持つ中国では、いかに早く商品を顧客に届けるかが1つの課題となっているが、TMALLでは、支払方法の改善や配送拠点の大幅な増設により、商品の配送をより早く実現させる取り組みを行っている。また、冷蔵トラック等を利用した“cold-chain”と呼ばれる配送システムによって、生鮮食料品の販売も強化させている。
このような状況下で、苦戦を強いられている従来型のスーパーマーケット各社も、中国でのECに力を入れており、Costco (米国), emart (韓国), Lottemart (韓国), RT-Mart (台湾), Countdown (ニュージーランド), King Power (タイ), FoodWorks (オーストラリア), Inferno (ドイツ), Fresta (フレスタ:日本)はTMALLとパートナーシップを組み、商品の提供を行っている。
https://fresta.TMALL.hk/shop/view_shop.htm?search=y&categoryp=50026821&detail_nid=45192442034