2017年東南アジアeCommerce成長の予兆
2017/02/03
カテゴリー越境EC最新情報
東南アジアeコマースの支出は飛躍的に増加しており、その急速な拡大は東南アジアだけでなく他国のオンライン小売業者の収益向上にも一役買っている。ドナルド・トランプ大統領は中国が世界の超大国にならないよう懸命に努力しているようだが、中国は東南アジアにおけるデジタル上の支配権を維持しており、東南アジアでは“中国と言えばアリババ”を意味するほどの存在となっている。
Jack Ma(中国・アリババ社の創業者で現会長)は東南アジアにおける主要なeコマースであるLazadaを10億ドルで迎え入れた。この取引は東南アジアにとって重要なイベントとなり、デジタル広告、ロジスティクス、金融、保険、さらには医療などの商業的バリューチェーン全体に影響が及ぶものとなっている。
Jack Maの言葉を借りれば、2016年が前菜だとしたら2017年は東南アジアeコマースのメインコース的な興味深い年となるとされている。その予兆となる様々な動向を下記にあげる。
1.Alibabaがより大きな存在となる
7年前、タオバオの利用業者へのeコマース関連サービス提供を目的としたパートナープログラムが開始された。
中国最大のプラットフォームに成長すると予測されているタオバオとTモールを通じて、Alibabaは店舗運営及び商品の受注から入金管理に至るまでの一連の作業を行うフルフィルメントサービスを提供した。
また、Ninja VanやアセンドグループのSendit、Skootarなどのラストマイルとオンデマンドデリバリーを集約したオープンプラットフォームとしてAlibabaがCainiaoネットワークを作成。
AlibabaはすでにAlipayとAnt Financialを開始しており、中国の軌道に沿った東南アジアのロジスティックエコシステムではCaniaoネットワークの導入は時間の問題でしかないと言われている。
AlibabaのCainiaoネットワークは事業計画統合の最後の通信手段を加速させることとなった。
2.GoogleとFacebookへの新たな脅威:「ファーストマイル」の戦い
アリババやアマゾンのような巨大eコマースは直接の競争相手だけでなくBaiduやグーグルにとっても脅威となる存在で、その理由はインターネット広告を常に改革しているからである。2009年から中国ではアリババとBaidu間の対立が起こったため、アリババはBaiduのサーチエンジンスパイダーがアリババのページを索引づけしたりクロールしないようブロックすることとなった。
アリババはグーグルアドワーズに似た独自のセルフサービスプラットフォームであるAlimamaを開始しメディアはこれを支持。新しい競争相手が戦場にやってきたのだ。
3.eコマース1.0〜2.0への進化
2017年に入りeコマースは1.0から2.0にシフトし、従来規模の経済でなく独自の価格、選択、経験、商品の組み合わせで企業が競争優位性を築けるようになった。
4.マルチチャネルブランド
2017年にはブランドがより洗練され、初期的かつ短期的戦略としてマーケットプレイスを活用していく。
長期的な戦略としての取り組みは、全ての顧客データを所有し、ブランドイメージを管理し、サブスクリプションコマースなどの機能を提供できるbrand.comサイトを介して直接消費者に販売することだ。また米国と中国のように東南アジアでの新規事業は、徐々に保険、医療と財務ビジネスなどの非物理的商品を手掛け始めるだろう。
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5.ミャンマーが新たなマーケットとなる
ミャンマーの人口は5,300万人で、東南アジアでは5番目の規模の国。大規模な市場が飽和している昨今、ビジネスは東南アジア内で地理的に新しい市場を模索し始めている。ミャンマーに焦点が当たった理由はほとんどが「モバイル専用」で、人口の20%がオンラインを利用していると推定される魅力的なマーケットだからである。
6.アマゾンが東南アジアに参入
彼らの参入により、新たな戦いが始まるのは必須だ。