越境ECーロシアのECの現状〜経済が不調でも堅調な伸びー

2015/11/24

　先行きが不透明な経済下で、ロシアのECは順調に成長を続け、今後もこの傾向は続くと期待されている。

　The Association of Companies in Internet Trade（AKIT）の調査によれば、2014年のロシアのオンライン取引は、140億ドル（7,130億ルーブル）に達し、前年比31%の増加となった。

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出典：AKIT

インターネットの普及

　AKITは、ロシアにおける電子取引の増加の主要因として、地方でのインターネットの普及とモバイル端末でのインターネットの利用増を挙げている。2014年のロシアのインターネット利用者は7300万人に達し、その内4000万人が少なくとも1度はインターネット経由での購買経験があることがわかった。

　インターネット利用者は、モスクワやサンクトペテルブルク等の都市部で大きなシェアを占めているが（約2,090万人）、ECにおいては、シベリア（前年比130%増）と極東地域（92%増）で急成長を見せている。インターネットの普及率はロシアの地方部ではまだ低いが、今後の成長を期待できる潜在的市場であるとAKITは分析している。

越境EC

ロシアにおける越境ECのシェアは、2014年に30%（前年比10%増）、購入件数では、約8,000万件、金額にすると60億ルーブル（108百万ユーロ）に達した。

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出典：AKIT

　ロシアからの訪問者が最も多く、また、前年と比べても増加率が最も高かったサイトは、中国のAliexpressであり、2014年には、月平均1,560万人を記録した。また、eBayやAmazonもロシアのインターネット買い物客の間では根強い人気があり、月平均でeBay は370万人、Amazon は140万人のロシアからの訪問者をそれぞれ迎えている。

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出典：AKIT

商品カテゴリー

　ロシアのECの商品カテゴリーでは、電気製品が最も大きな割合を占めており、また成長率も最も高く、前年比41.6%増となった。中でも増加が目立っているのが、スマートフォンや携帯電話の分野（63%）、家電（63.4%）、大型家電（55,8%）である。ロシアのオンライン販売業者トップ10を見ても電気製品販売業が多くを占めており、人気の高さを示している。

ロシアのオンライン販売業者トップ10

・Ozon（総合）

・Ulmart（総合）

・M. Video （電気製品）

・Wildberries （アパレル）

・Svyaznoy （電気製品）

・Eldorado （電気製品）

・Citylink （電気製品）

・DNS （電気製品）

・Lamoda （アパレル）

・Enter （総合）

決済方法

　ロシアのEC決済方法として特徴的なのは、代金引換（cash on delivery）が好まれている点であり、当初ほとんどの決済は、代金引換にて行われていた。しかし、その利便性により、年々クレジットカード決済利用者が増えており、他の決済方法（代金引換、郵便局での振り込み、電子マネー）が減少する中、堅調な伸びを見せている。

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